相続対策の誤解。相続対策=相続「税」対策ではない!

相続対策

突然ですが、「相続対策」と聞いて、あなたは真っ先に何を思い浮かべますか?

おそらくほとんどの方が税金、つまり「相続税」の事を考えると思います。

税法が改正され、相続税の基礎控除額(相続税がかからない金額)が引き下げられて、注意喚起する専門家が増えましたからね。

「ウチも相続税がかかるのでは?」

と、当然に心配してしまうでしょう。

でも、相続対策って、税金だけを考えれば良いのでしょうか?

「ウチは家族全員仲が良いから、税金の事だけを考えれば良いんだよ」

そんな声も聞こえてきそうですが、ほんとうにそうなのでしょうか?

1.相続対策=相続「税」対策ではない!

初っ端から、多くの方が勘違いしがちな点に言及します。

相続対策とは、相続「税」対策ではありません!

どう言う事ですか?世の中には沢山相続税対策のセミナーが行われていますよ?

相続税の申告や納税が必要な方は100人中10人もいません。つまり、ほとんどの方は、そもそも相続税が課税されないんです。

国税庁の資料によりますと、平成 29年中に亡くなられた方(被相続人数)は約134万人で、このうち相続税の課税対象となった人は約11万2千人です。

割合で言えば、8.3%です。

つまり、そもそも相続税対策を考える必要がない方がまだまだ多く、それ以外の問題を考える必要があるんです。

相続「税」対策は相続対策を考える上での一つの要素ですが、相続「税」対策だけが、相続対策ではないと言う事は理解する必要があるでしょう。

2.相続対策とは、遺産の分け方を考える「遺産分割協議対策」

では、相続税対策だけが相続対策ではないとすれば、相続対策とは一体何かといいますと、ずばり、遺産の分け方を決める「遺産分割協議対策」です。

実は税金の方ばかりに目が向いていて、遺産の分け方を全く考えていなければ、いざ相続が発生したら問題が泥沼化してしまう、このような家庭が非常に多いのです。

ボクシングで例えると、練習も減量もしないまま試合に臨み、完全ノーガード状態で相手選手に突っ込んでいくような状態です。

3.遺産分割協議対策のポイント

① 自宅等、不動産をどうするか?

遺産分割協議の中で一番もめる原因があるのは不動産の相続です。

そもそも分けにくいですし、評価方法も複数あり、相続人どうしの話し合いが難航する原因になります。

「じゃ、売却して売買代金を相続人で分ければ良いんじゃないの?お金だと分けやすいでしょ?」

と思われるかもしれませんが、全ての相続人が不動産の売却に賛成するとは限りません。

特に自宅は非常に思い入れがあり、「売却したくない」と思われる相続人もいます。

このような意見の違いから相続手続きが何年も滞り、その結果さらに相続が発生して、相続人の相続人等に迷惑をかけている事案もあるのです。

人間、面倒くさい事はやりたくないですよね?

不動産の遺産分割協議は大変面倒くさく、財産を残す側がしっかりと残し方を考えないと、自分の子孫に迷惑がかかる事があるのです。

② 子供(兄弟姉妹)の経済格差

子供達、つまり兄弟姉妹間の経済格差が問題になっているのを知っていますか?

日本では現在、経済格差が広がり続けており、兄弟姉妹間でも所得格差がある家庭が出てきています。

このお金がある相続人とお金がない相続人とでもめるケースが増えているんです。

相続は自分で稼いだわけではなく、ある日突然多額のお金を取得する事になります。

いわゆる「棚からボタ餅状態」です。

経済的に苦しい状態の相続人やその配偶者は、このチャンスに少しでも多くお金を得たいと思うでしょう。

これは最終的に遺産分割調停や審判を行い、法定相続分を基準とする事で解決する問題です。

しかし、それまでには時間がかかり、その間相続人は本来必要がないストレスにさられる事になるのです。

ハッキリ言って、生きた心地はしないでしょう。

4.まとめ -遺言だけではダメ。相続人とのコミュニケーションも必要-

遺産分割協議対策は遺言を作成する事である程度カバーできますが、それだけでは不十分です。

相続が発生すると法的問題(遺産の分け方)以外にも、相続人間の長年の人間関係から起因する、法的解決が不可能な問題も発生します。

(こっちの問題の方がメインのような気がしますが・・・。)

この、「法的解決が不可能な問題」を未然に防ぐ唯一の手段は、財産の残す側(被相続人)と財産を残される側(相続人)のコミュニケーションです。

相続対策は税金含め、ありとあらゆる要素を総合的に考える必要があります。

さらに、相続対策は財産を残す側だけが考えるのではなく、家族全員が同じ方向を向いて取り組む必要があるのです。

ここまでやって初めて、

「ウチは相続でもめる事はない。これで安心だ」

と胸を張って言えるでしょう。

 

【当ブログでは、相続対策や家族信託について分かりやすく解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

このブログの執筆者
司法書士甲斐智也

横浜市泉区の心理カウンセラーの資格も持つ司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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