おひとりさまの相続対策は絶対に必要!生前にやるべき事は?

相続対策

現在、孤独死が社会的問題になっているのを知っていますか?

こんにちは。司法書士の甲斐です。

国立社会保障・人口問題研究所の調査によりますと、生涯未婚率が過去最高を更新したそうです。

生涯未婚率と言うのは、50歳時点で未婚である人の割合を指すのですが、ご結婚されていても配偶者の死亡により、おひとりさまになる事もあるでしょう。

生涯未婚、つまりおひとりさまの相続は通常の相続と比較して、考えなくてはいけない問題点が山ほどあるんです。

例えば、こんな事。

「私がこのまま死んだら、誰か発見してくれるのだろうか?」
「私の葬式って、誰がしてくれるの?そもそもお墓なんてないし」
「私の身の回りのものは誰が整理してくれるの?私が亡くなったら、この家はどうなるの?」
「ほとんど会った事がない甥っ子には迷惑をかけたくないけど、どうしたらいいの?」

では、このようなお悩みを解決する為にやるべき事を、順番に見てみましょう。

1.おひとりさまの相続の相続人は誰?

おひとりさまの相続が発生した場合、誰が相続人になるか正確に答える事ができますか?

ここがしっかりと理解できていないと、その後の対策が全く意味がないものになります。

間違えないようにしましょう。

おひとりさまと言う事は配偶者(夫、妻)も子供もいない状態でしょう。

とすると、相続人は父母、父母がいない場合は祖父母等、上の世代に遡る事になります。

で、上の世代の方がいない場合は、ご本人の兄弟姉妹(兄弟姉妹が先に亡くなっている場合は甥姪)になります。

父母も兄弟姉妹も甥姪も全くいない場合、「相続人がいない」と言う状態になります。

【おひとり様の相続人】
・父母(父母がいない場合、祖父母等、上の代に遡る。)
・父母等がいない場合、本人の兄弟姉妹。
(兄弟姉妹が先に亡くなっている場合、本人の甥姪。)

ほとんどの場合、父母等は亡くなられていると思いますので、相続人はご本人の兄弟姉妹か甥姪、もしくは相続人がいない、と言う状況です。

兄弟姉妹や甥姪と長年交流がない、または相続人がそもそもいない場合、ご自身の相続の事についてどうすれば良いのか?

これが、おひとり様の相続対策の出発点です。

2.おひとりさま相続の問題点

① ご遺体が発見されるまで時間がかかる

第一の問題点は、孤独死の問題です。

ある日突然ご自宅で亡くなっても、一人暮らしであれば、場合によって発見されるまでに死後数週間から数ヶ月と言った期間が経過する事があります。

そうなると、ご遺体が腐乱し、時間が経過した部屋の状況は悲惨そのものになります。

そこでいわゆる特殊清掃が必要になるのですが、その費用が数万~数十万円(場合によっては100万円単位)になる事もあり、コスト面の負担が増えます。

② 葬儀やお墓の問題

葬儀は誰が執り行うのか?と言った問題が発生します。

通常は相続人のうちの一人が喪主となり葬儀を取り仕切るのが一般的です。

ただ、おひとりさまの場合、親族が身近にいないと言う事も考えられます。

兄弟姉妹や甥姪と交流がほとんどない方も多いでしょう。

交流がないからこそ、兄弟姉妹(甥姪)に迷惑をかけずに、きちんと葬儀を執り行ってもらう方法を考えておかなければいけないですよね。

また、お墓の準備もしておく事も重要になります。

誰かに葬儀を執り行ってもらっても、遺骨の管理まで任せる事は出来ないでしょう。

その為、ご自分が入るお墓を用意する事も大切な準備です。

なお、全く身寄りが無く、遺体を引き取る方がいない場合は、最終的には墓地埋葬法第9条により、市区町村が火葬を行います。

その後、遺骨は一定期間保管され、無縁墓にまとめて入れる事が多いようです。

このように、最終的には市区町村が火葬してくれますので、身寄りの無い方でも「誰も何もしてくれない」と言う状況にはなりません。

とは言え、後の事をやってもらう方の為に、準備はしてあげた方が良いですよね。

③ 遺産の問題

遺産は相続人が遺産分割協議を行いその分配方法を決めます。

ところが、この「遺産分割協議」、普段交流が無い相続人であれば、非常に難航します。

「何で話し合う必要があるの?オレ(私)関係無いじゃん」

なんて言い出す相続人だっているぐらいですから。

あなたの相続手続きは誰かが中心になって行うと思います。

その方はおそらく、正義感や使命感が強い人でしょう。

そんな人が一生懸命に頑張っているのに、話しを全く聞いてくれない相続人がいたら、心折れちゃいますよね?

だからこそ、あなたの相続手続きを行ってくれる人に迷惑をかけないように、遺産の承継方法をあなた自身がしっかりと考える必要があるんです。

なお、相続人がいない場合、遺産は最終的に国のモノになります。

相続人じゃないけどお世話になった方へ財産をあげたい場合、何も対策していないとその希望を叶える事はできません。

この事はみなさん案外見落としがちですので、早め早めに対策しましょう。

3.おひとりさま相続対策の為にやるべき事

① 認知症対策(任意後見契約+見守り契約の締結)

任意後見契約は、ご自身が将来、認知症等で意思能力が判断能力が低下した時に備えて、予め後見人(任意後見人)を決めておく事です。

見守り契約とは、この任意後見がはじまるまでの間に、任意後見人になる人がご本人様と定期的に連絡を取り、本人の健康状態等を確認してもらう契約です。

また、任意後見を開始する為の時期を判断すると言う重要な仕事も含まれています。

近所の方や親しい方(もちろん、司法書士でも大丈夫です)にお願いして、定期的に連絡を取ってもらう。

で、何かあった時に迅速に対応してもらえるように事前に法律的に決めておくのです。

そうすれば、あなたがもし認知症になって一人暮らしが出来なくなった場合でも迅速に対応してもらえます。

なお、元気な状態で万が一孤独死されたとしても、死後数ヶ月経過しても発見されない、と言った状況を未然に防ぐ事ができます。

② やってほしい葬儀の方法をあらかじめ指定しておく

あなたの代わりに相続手続きを行ってくれる人が、いざ葬儀を執り行おうと思っても、分からない事だらけの場合があります。

・故人が信仰している宗教は何だったのか?
・葬儀に参列してもらいたい人は誰なのか?
・そもそも、どのような葬儀にすれば良いのか?
葬儀を経験された事がある方は分かると思います。

人が亡くなった直後にこのような事を立て続けに考えなければいけないのは、精神的に非常に苦しくて、ストレスフルな状態になる事を。

なので、このような情報をエンディングノート等に記録し、ご自分の葬儀に関して意思表示をきちんと行うべきです。

また、葬儀を執り行ってほしい方にどのような葬儀にしてほしいかを事前に説明をして、葬儀費用等の準備もしておくのもお忘れなく。

③ 遺言で遺産の状況や処分方法を明記しておく

実は、おひとりさまの相続で一番困るのが、この遺産についての事です。

相続人の立場で考えてみましょう。

多分、あなたの相続人になる人は、あなたの資産状況は良く分からないハズです。
(当然ですよね。言わなきゃ分からないのですから。)

その状況でもしあなたが亡くなった場合、相続手続きを行う人はあなたの財産調査にとんでもなく苦労するのです。

あなたの自宅を隅から隅まで財産に関する物を捜索します。

そして通帳等、遺産を調べる為の資料が全くない場合、最終的にはあなたが住んでいた場所の近くの金融機関から、ローラー作戦的に調査を行う必要も生じるのです。

これは手間と時間がかかり、相続手続きを行う方の負担がぐっと増えます。

(遺産なんてないだろう、と預貯金の調査を行ったところ、相続税の基礎控除額をはるかに超える預貯金が出てくる事も良くあるんです。)

だからこそ、あなたの相続手続きを行ってくれる方の負担を増やさない為にも、遺言で遺産の状況やその処分方法をあらかじめ明記しておいてあげて下さい。

(相続人がいない方は、遺言の作成は必須です!)

④ 財産の整理

身の回りの財産の整理を行うのもポイントです。

続財産が何があるのかをきちんと目録で残し、不要な物は処分をして財産の整理を行う。

たったこれだけで、相続手続きを行う方の負担は軽減されます。

4.まとめ

立つ鳥跡を濁さず 、と言う言葉があります。

ご自分の死の事を考える事は想像しにくく、かつ心理的にも嫌でしょう。

でも、あなたの相続手続きを行ってくれる人は必ずいます。

その方に安心して手続きを行ってもらう為にも、しっかりと相続対策は行うようにしましょう。

 

【当ブログでは、相続対策や家族信託について分かりやすく解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

このブログの執筆者
司法書士甲斐智也

横浜市泉区の心理カウンセラーの資格も持つ司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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