安いだけで本当に良いの?司法書士を報酬だけで判断する危険性

相続専門家

一般の方から相続の相談を受ける際、最初は電話やメールで相談の予約を行ってもらっているのですが、たまにあるのが開口一番、

「○○の手続きは、費用はいくらぐらいかかるのですか?」

恐らく、色々な司法書士事務所に電話をして、その中で一番安い事務所に依頼しようと考えているのでしょう。

もしくは、

「とにかく費用面が不安なので先に費用の事だけはしっかりと聞いておこう!」

と言う考えかもしれませんね。

どちらにしても、司法書士に何かを依頼する際の判断基準として費用は重要な要素だとは思いますが、費用「だけ」を判断基準にすると、もしかしたら後々痛い目にあうかもしれません。

1.値段が高いのには理由がある

私は家族信託の業務を行っていますが、その費用は最低でも70万円(税別)です。

この金額をパッと見ると、ほとんどの方が「高い!」と思われるでしょう。

では、本人が認知症になり、成年後見制度を利用して専門家が成年後見人になった場合、どれぐらいの費用がかかるか分かりますか?

本人の財産にもよりますが、だいたい月3万~5万円です。

この負担が本人が亡くなるまで一生続く事になります。

仮に75歳から利用して83歳で亡くなった場合、8年間のトータルは288万円です。

では、任意後見はどうでしょうか?

任意後見は任意後見監督人が必ず選任され、専門職の場合月1万~3万円の費用が発生します。

同じように8年間のトータルで考えると、96万円です。

また、費用面以外の話しでは、家族信託は最近の制度であり、判例の積み上げがまだ少ない状態です。

その為、解釈が分かれる条文についての判断が難しく、使いこなすにはそれなりの勉強が必要になります。

(家族信託関連について、私が勉強した書籍の一部です。実際はもっとあります。)

このように、その手続きが高いか安いかについては、

・「仮にその制度を利用しなかった場合の損失」と
・「その制度を利用した場合に発生するリターン

を比較して、高いか安いかを検討する必要があるのです。

2.値段が安いのにも理由がある

例えば、横浜駅の目の前、6LDKの新築マンションが500万円で販売していた場合、あなたはそのマンションを購入しますか?

多分、購入しないですよね?

安すぎますから。

「まともな材料が使われていないのかも知れない。」
「手抜き工事をしたのかもしれない。」
「ちょっとした地震があったら、絶対に倒壊するよな・・・」

こんな事を考えたりしますよね?

そして、実際に様々な問題があるでしょう。

司法書士のような「目に見えない仕事」を行っている専門家もこれと同様なんですね。

インターネットで検索すると、ものすごく安い費用の司法書士事務所が実は沢山あります。

相続登記が1万9,800円とか、一体どうやって事務所経営が成り立っているのか良く分からない事務所もあります。

要するにこれって、駅前一等地のマンションを激安で購入するのと全く同じなんです。

例えば相続登記であれば、下記のような事前チェックが必要不可欠です。

・戸籍は過不足なく揃っているか?内容に問題はないか?
・現在の登記事項に問題はないか?
・遺産分割協議書に不備はないか?

このように事前のチェックを行う事で、初めて問題がない手続きを行う事が可能になるのです。

格安で手続きを行う司法書士は事務所経営の為、数を多くこなす必要があります。

そのような司法書士事務所に、事前に綿密なチェックを行う事ができるかどうか、ハッキリ言って怪しいところがあります。

費用が安い=数をこなす必要がある=仕事の質が低下すると言う事ですし、そもそも費用を安くするしか売りがない司法書士、とも言えるでしょう。

3.費用は具体的にお話しをお伺いしない限り、算出不可能

そもそも、費用に関しては詳しくお話をお伺いしない限り、算出不可能です。

例えば、

① 自分の財産を全て妻に相続させたい遺言
② 自宅は妻に、その他の財産は事業を継いでくれる長男に。二男には申し訳ないが、相続させるものがない。

両方とも同じ「遺言を作成する」と言う点では同じですが、その難易度に大きく差がある事が分かると思います。

手続きを行いたい目的、財産の内容、家族構成や関係性等、詳細な事実をお伺いしない限り費用が算出できない理由は、まさにこれです。

いわゆる「ひな型」を利用すれば何も考える事なく遺言やその他の手続きは行う事は出来るのですが、各ご家庭の事情は千差万別です。

その為、様々なリスクに配慮したオーダーメイドな手続きを行う必要があり、オーダーメイドな手続きを行う為には詳細な内容をお伺いしない限り、その費用の算出は出来ないのです。

4.まとめ -費用が気になるのであれば、相談した方が早い-

「安物買いの銭失い」

これは、どのような業界でも当てはまる言葉です。

とは言え、事前にどれくらいの費用が分からないとか、費用面でしか司法書士を判断する事を知らなかったりすると、非常に不安になると思います。

その為、細かい話しをする前にまずは電話で費用を確認したいのは当然でしょう。

しかし上記でお話しした通り、具体的な費用はお話しを詳細にお伺いしない限り、算出不可能なんです。

電話で簡単に「○○円ぐらいです」と言ったものの、実際にお話しをお伺いしてみますと状況が全く異なる事が多々あります。

そんな時に、

「お電話では○○円ぐらいとお話ししましたが、このケースは◎◎円になりますね。」

と言われたらどうですか?

ぶっちゃけ、良い気はしないですよね?

安いと思ってきたのに、だったら最初から言えよっ!

て話しじゃないですか?

こう言うのはお互いに不幸になります。

なので、具体的な費用を知りたいのであれば、実際に相談を行った方が手っ取り早いです。

そうすればより具体的な費用も分かりますし、お互いに納得の上で仕事を行う事ができます。

「費用がどれだけかかるか不安」

なのであれば、専門家に相談を行い、事前に見積を提示してもらいましょう。

 

【当ブログでは、相続対策や家族信託について分かりやすく解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

このブログの執筆者
司法書士甲斐智也

横浜市泉区の心理カウンセラーの資格も持つ司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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