相続の専門家が相談者に言わない不都合な真実

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突然ですが、あなたが何かを決めなくてはいけない状況になった時、どのような事を考慮して、最終的な決断をしますか?

こんにちは。司法書士の甲斐です。

相続対策も「決断をする」と言う点では全く同じで、遺言を書こうか?任意後見契約を締結しようか?それとも家族信託・・・と悩まれた上に決断される方が多いでしょう。

決断を左右する事について何を重要とするかは、人それぞれ違うと思います。

例えば、私の場合であれば「デメリット」をしっかりと考慮し、最終的な決断を行います。

実は相続対策には様々な方法があり、方法論を語る事ができる相続専門家は沢山いますが、デメリットを「意識的に」説明する事ができる専門家はごく一部でしょう。

今回は、相続の専門家がみなさんに言わない相続手続きのデメリットについて、お話したいと思います。

1.遺言に関すること

① 遺言を作成したとしても、相続でもめる場合がある

「遺言は相続でもめない為に作成するもの」と言うセールストークで遺言の作成を勧める専門家がいます。

その事自体は間違ってはいないのですが、

「遺言を作成する事で、絶対に相続争いが起きない」

と勘違いをして(誘導されて)遺言を作成される方がいらっしゃいます。

当然ながら、例えば特定の誰かに有利な遺言を作成すれば、当然不公平になりますので、相続でもめる可能性はあります。

有効な遺言でも、もめる事があるのですか?遺言が有効なら、争いようが無い気がするのですが・・・。

遺留分等を主張する事ができますし、相続を原因として絶縁状態になる事もあるでしょう。

② 公正証書遺言でも無効になる場合がある

「プロの法律家である公証人が関与しますので、自筆証書遺言より公正証書遺言の方が安全です。遺言が無効になる事はないでしょう。」

これも遺言に関するセールストークの一つです。

確かに、公証人が関与すれば間違いなく有効な遺言が作成されそうですが、実際には遺言者の認知症等を理由にして、遺言が無効になった事例もあります

え?遺言者に意思能力がきちんとある事を、公証人は確認しないのですか?

当然慎重に確認します。しかし、遺言の有効無効が争われた場合、最終的に判断するのはあくまで裁判所なんです。だからこそ、遺言が無効とされた事例があるのです。

・遺言を原因として、親族関係が断絶される事がある。
・公正証書遺言でも、無効となる場合がある。

2.任意後見、家族信託に関すること

① 本人の意思能力が不十分な場合、契約を行う事はできない

任意後見も家族信託も、本人と任意後見候補者(若しくは受託者)との契約が必要になります。

つまり、本人に契約の内容が理解できるぐらいの能力がなければ、そもそも任意後見契約や家族信託を行う事はできません。

② 当事者間の契約でも、何でも出来るわけではない

任意後見も家族信託も当事者間で契約をおこないます。

契約には「契約自由の原則」と言う、契約の内容は当事者間で自由に決める事ができる原則があります。

そのため、「任意後見や家族信託は何でもできる!」と言うセールストークが良くあるのですが、これも間違いです。

契約の内容は自由に決めて良いのですが、それでも限界があります。

公序良俗や強行法規に反する事は、当然に無効になります。

・「契約」の内容を理解できなければNG。
・何でもできるわけではない。当然に限界がある。

3.そもそも、どうしてデメリットを「意識的に」伝えないのか?

このように、どんな手続きであっても、何かしらのデメリットは必ず存在します。

しかし、相続専門家の中には、これらのデメリットについて、意識的に説明しない者が存在します。

それは一体なぜなのか?

一つは、「受任する為」でしょう。

専門家は国から給料をもらっている公務員ではありません。

基本的には事業主であり、自分で仕事を取ってこなければ生活が成り立ちません。

その為、少しでも受任するチャンスがあるのであれば、デメリットは意識的に説明しないでしょう。

デメリットを説明する事でその部分が必要以上に強調され、相談者に逃げられる可能性がありますので。

もう一つの点は、「あくまで可能性の問題」であるからです。

上記に挙げたデメリットは、何らかの問題が発生しなければそのまま何もないままになります。

問題にすら挙がらない可能性だってあるのです。

「あくまで可能性の問題であるので、必要以上に説明する必要はない」

と言う考え方もあるのです。

上記のお話しは、企業で営業をやられていた方であれば、良く納得できる事ではないでしょうか?

しかしながら、重要な判断を行う上でデメリットの検討・分析は、何かを判断する為の重要な要素です。

その重要な要素が抜け落ちたまま判断を行っても、その判断が正しいものになる可能性は低いでしょう。

だからこそ、専門家に相談する場合は、その手続きを行った場合のデメリットの説明を受ける事が重要になってきます。

4.まとめ

とは言え、専門家にデメリットを聞くと言う事は、非常に気を使う事かもしれません。

「素人がこんな事を聞いても良いのかしら?」

と躊躇してしまうかもしれませんね。

でも大丈夫です。

本当の専門家なら、実務上のデメリットが重要である事を十分に理解しています。

それに、相続対策や認知症対策は一生に一度あるかないかの需要な手続きです。

だからこそ、どのようなデメリットがあるのかをしっかりと吟味したうえで、どのような手続きを行うのかの決断をしましょう。

 

【当ブログでは、相続対策や家族信託について分かりやすく解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

このブログの執筆者
司法書士甲斐智也

横浜市泉区の心理カウンセラーの資格も持つ司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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