油断大敵!普通の家庭ほど相続でもめる明確な理由はこれだ!

相続トラブル

相続対策のお話しを行う中で、絶対に出てくるキーワードがあるのですが、それが何かご存知ですか?それは、

ウチは財産少ないから、相続で揉めませんよ。

と言う希望的憶測?です。

こんにちは。司法書士の甲斐です。

まぁ、奪い合うような遺産が無ければ、そもそも争いようがないと言うのが結論になりそうなのですが、果たして本当にそうなのでしょうか?

1.普通の家庭が相続でもめている事実

遺産相続を題材にしたTVドラマ、典型的なパターンとして、『資産家の相続争い・ドロドロな展開』で視聴者を引き付ける、と言うのが多いと思います。

それをお茶の間で見てみる人は

財産がある家庭は大変ね。その点、ウチは何も財産が無いから安心ね。

と思ってしまうかもしれません。

でも、本当に財産が何もないから安心なのでしょうか?

実は、普通の家庭の相続、具体的には遺産が自宅+老後資金の残りという構成の相続が遺産分割でもめる典型的なケースなんです。

事実、裁判所が発表している資料(司法統計)によりますと、遺産分割調停事件全体のうち約75%は、遺産総額が5,000万円以下です。

さらに、1,000万円以下の遺産額でも約30%の割合となっています。

ほとんどの方が、裁判所を利用する遺産分割調停について、もっと高額な遺産を分けるために骨肉の争いをしているイメージを持っていると思います。

しかし現実には相続問題は決して一部の資産家だけの話ではなく、逆に財産が少ない家庭ほど、もめやすいのです。

2.普通の家庭ほど相続で揉めやすい理由

① 遺産が少ない人ほど、生前に対策をしていないノーガード状態だから

不動産や金融資産をいくつも持っている資産家は、生前に税理士さんとのお付き合いがある方が多いです。

親しい税理士さんがいれば、生前に相続税対策と同時にどうすれば揉めないか?のアドバイスを受ける事ができます。

税理士の紹介で弁護士や司法書士を紹介される事もあるでしょう。

また、資産家であれば信託銀行等との付き合いがあったりしますので、そこでも

「遺言を作成した方が良いですよ」

等、相続に関するアドバイスを受ける事ができます。

しかし、資産家ではない一般の方であればどうでしょうか?

相続税がかからないようであれば、親しい税理士さんもいないでしょう。

弁護士や司法書士との交流だってないでしょう。

資産が少なければ信託銀行等から積極的に営業されないので、信託銀行等との付き合いもないと言ったケースがほとんどでしょう。

その為、本来は相続対策を行った方が良いのに誰にも相談する機会がなく、何ら相続対策をしなかった結果、いざ相続が発生してそのまま紛争状態に突入するのです。

② 分けにくい自宅(不動産)は相続紛争の原因の一つ

例えば遺産が3,000万円の不動産のみで、相続人がAさん、Bさんの2名のみ、2人とも不動産が欲しい!、と言った場合を想像してみましょう。

この時、別に遺産として3,000万円の預貯金があれば、どちらか一方が不動産を相続できなかったとしても、遺産相続の問題としては解決します。

不動産を相続しなかった方は、預貯金を相続すれば結果として法定相続分の遺産分割協議となりますので。

でも、不動産のみであればそうはいきません。

もしAさんが不動産を相続するのであれば、(法定相続分で遺産分割協議を行う前提の場合)、自分の財産から3,000万円をBさんに渡す必要があります。

Aさんに財産があれば良いのですが、財産が無い場合、まさに紛争状態に突入する典型的な事例なのです。

③ 相続税対策と感情面の問題

さらに自宅の場合は、各相続人の感情移入もあり、非常に複雑な問題が生じます。

良く有るこんな事例があります。

太郎さんは83歳で亡くなりました。

相続人は妻の花子さんと長男の一郎さん、長女の雪子さんの3名です。

遺産は自宅と少しの預貯金でした。

太郎さんは生前、特に家族の関係が良好であった為、

自宅は妻が相続して、そのまま住み続ければいい。子ども達はとっくに独立してそれぞれ家庭を持っているし、きっと分かってくれるはずだ

と思い、特に遺言を残さずに亡くなりました。

その後、奥さんも当然に自分がこのまま自宅に住み続ける事ができると思っていたのですが、そこで子ども達からストップがかかったのです。

自宅を私達の名義にしていれば、結果として相続税が安くなるのだから、自宅はお母さんの名義ではなく、私達の名義にしましょう!

説明は非常に長くなるので割愛しますが、要するに、

・一次相続(太郎さん)と二次相続(花子さん)の合計の相続税より、
・直接子どもの名義にした場合の相続税

の方が安くなるケースがあるのです。

相続税の事を解説したインターネットや書籍で良く、

「相続税対策は二次相続も視野に入れて考えましょう」

と語られているため、自宅にまだ奥さんが住んでいるにも関わらず、直接子ども名義にするケースがあるんです。

まさに、相続税対策ですね。

確かに、相続税対策の視点からは正解かもしれません。

奥さんが亡くなれば、結局は相続で子どもの財産となりますので、直接名義を子どもにするのも一つの考え方です。

しかし、奥さんの気持ちはどうでしょうか?

ご主人と苦楽を共にした自宅が自分の名義にならないのです。

このまま住み続けていても、子どもから

お母さん、自宅を売りたいから出て行ってくれる?

と言われたら、拒否できないのです。

なぜなら、自分の家ではないからです。

いくら相続税対策とは言え、そんな事、奥さんは納得するでしょうか?

正直、難しいと思いますよ。

安っぽい表現かもしれませんが、自宅の相続は安易に相続税対策で考えるのではなく、「思い」で考えるべきでしょう。

3.まとめ 相続「税」対策は不要であっても、相続対策は必要

このように、普通の家庭でも、相続紛争に発展する可能性が十分にあります。

ここでは書ききれない程、細かい相続トラブルの事例は沢山ありますので。

「相続対策と言えば相続税対策」

と言うイメージが強いかもしれませんが、相続財産が相続税の基礎控除内の場合であれば、相続税対策は必要ありません。

しかし、それでも相続対策は必要です。

希望的憶測ではなく、

「これで相続で揉める事はないだろう。安心して老後を生活できる」

としっかりとした根拠を持って、自信を持って言えるようにしてはいかがでしょうか?

 

【当ブログでは、相続対策や家族信託について分かりやすく解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

このブログの執筆者
司法書士甲斐智也

横浜市泉区の心理カウンセラーの資格も持つ司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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