跛行婚(はこうこん)にご注意!?国際結婚をした場合にも相続対策が必要です。

相続対策

近年では国際的な人の交流が進み、外国の方と結婚をする方が増えてきています。

私の周りでも国際結婚された方がいらっしゃいますし。

で、そこで問題になるのが、結婚がきちんと成立しているか否か?と言う点です。

結婚が成立していないと言う事は法律上の配偶者ではない為、相続でもめる事はほぼ確実でしょう。

そして、国際結婚ならではの問題点があります。

それが、タイトルに掲げた、跛行婚(はこうこん)の問題です。

1.跛行婚(はこうこん)とは?

跛行婚(はこうこん)とは、夫婦が別の国籍の方である場合に、一方の国では結婚が有効に成立しているが、もう一方の国では結婚が有効に成立していない状態の事を指します。

「何のこっちゃ?」

と思われるかもしれませんが、要するに結婚は夫婦双方の国で成立させる必要があると言う事です。

これは、そもそも結婚に関する法律は国によって違いますし、どの国の法律を適用させるかと言った国際上のルールもありません。

その為、各国ごとに法律上の結婚を成立させる必要があるのです。

で、問題になるのがこの跛行婚の状態の時に相続が発生した場合のお話しです。

・・・だいたい想像はできると思いますが、残された家族は大パニックになりますし、相続でもめる可能性が非常に高くなるのです。

2.日本で婚姻を成立する為の要件

ここで日本で結婚(婚姻)が有効に成立する条件を見ていましょう。

民法739条1項に規定されています。

婚姻は、戸籍法 (昭和22年法律第224号)の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
いわゆる、「婚姻届」を提出しないと法律上夫婦になる事ができない事が規定されています。

これは外国の方と結婚した場合も同様で、婚姻届を提出すれば、日本人の戸籍に外国の方と婚姻した事が記載されるのです。

日本人と同様、外国の方の氏名や国籍・婚姻日等が記載されるので、外国の方との婚姻が有効に成立したんだなーと言う事が分かるようになっています。

では、話しを戻しましょう。

国際結婚の場合は夫婦双方の国の法律に基づいて婚姻の手続きを行わなければなりません。

もし外国での法律に基づいた婚姻を先に行った場合、日本での婚姻の手続きはどうすれば良いのか?

その点を次でお話ししていきたいと思います。

3.外国で先に婚姻をした場合

外国によって細かい部分は異なると思うのですが、大まかな流れは以下のとおりです。

① 婚姻要件具備証明書を取得する

いわゆる「独身証明」と呼ばれるもので、重婚状態等なく、「適法に婚姻する事ができますよ」と言う証明書です。

外国にある日本の在外公館(大使館、領事館等)で手続きを行う事が多いのですが、各国によって異なる場合があります。

② 外国の法律に基づいて婚姻を有効に成立させる

①で取得した婚姻要件具備証明書を各国の行政等、必要な機関に提出し、その国での婚姻を法律上有効に成立させます。

③ 婚姻が成立した事を証明する書類を取得し、婚姻届を提出する

外国で婚姻が有効に成立した事を証明する書類を取得し、婚姻届を提出します。

提出先は日本の在外公館であったり、日本の市区町村役場です。

※以上の流れについて、詳しくは各国の在外公館のホームページ等で確認して下さい。

4.跛行婚状態の大問題

このように、国際結婚の場合は双方の国で法律上の婚姻を成立させる必要があり、その為の手続きや書類の取得が非常に面倒くさいのです。

その為、跛行婚状態になっている事も少なくないのです。

例えば、夫が日本人・妻が外国籍の場合で、日本での婚姻が有効に成立していない場合を考えてみましょう。

日本人が亡くなった場合、国際結婚をしていても日本の法律(民法)によって相続手続きを行う必要があります。

相続人も民法で規定されていて、被相続人の配偶者は常に相続人になるのですが、この配偶者とはあくまで「法律上の婚姻を行った配偶者」の事です。

つまり、外国でどんなに婚姻が有効に成立していたとしても、日本での婚姻が成立していない跛行婚状態であれば、外国籍の妻は相続人になれないのです。

妻の気持ち等を考えた場合、色々なトラブルに発展する事が想像できますよね?

日本人男性が外国籍女性と再婚し、跛行婚状態で日本人男性が亡くなったら・・・。

外国人女性と前妻との子供のバトルが勃発する事が目に浮かびます。

5.離婚も同様

今までは婚姻の事を取り上げましたが、離婚の手続きも同様で、国際結婚をした夫婦が離婚をした場合、双方の国の手続きを行う必要があります。

一方の国でしか離婚手続きを行っていない場合、一方の国では離婚が成立しているが、他方の国では離婚は成立していないと言う、非常にとんでもない状態になります。

この跛行婚状態で相続が発生した場合も、シャレにならない事になるでしょう。

6.まとめ

今後も国際結婚をされる方がますます増えていくと思うのですが、意識してほしいのが、婚姻や相続等の法律関係です。

国ごとに法律が違いますし、何も対策していなければ、実際に相続が発生した場合に残された家族は手続面で右往左往し、精神的に疲弊するでしょう。

国際結婚するのであれば、そのような将来を見据えた上でキチンと婚姻を成立させ、相続対策もしっかりと行うのが筋でしょう。

 

【当ブログでは、相続対策や家族信託について分かりやすく解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

このブログの執筆者
司法書士甲斐智也

横浜市泉区の心理カウンセラーの資格も持つ司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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