ひな型のコピペ厳禁!愛のある遺言の姿とは?

遺言

こんにちは。司法書士の甲斐です。

相続対策の中でもっともポピュラーで、気軽に行う事ができるのが、「遺言」です。

インターネットや書籍等で、遺言のひな型が沢山紹介されており、法律知識の無い方でも簡単に作成する事ができます。

特に一番簡単な遺言の文章例は、

「全ての遺産を●●に相続させる」

と言う文章です。

遺留分の問題等はありますが、このシンプルな文言だけで相続手続きは問題なく行う事は可能です。

全ての財産を特定の人物に取得させたい場合、たったこれだけのひな型文章を書いて、日付と名前を書き、印鑑を押せば法律上はOKです。

でも、それで本当に良いのでしょうか?

今回は、そんな当たり前な事に、あえて疑問を投げかけてみたいと思います。

1.遺言のひな型をそのまま使用しても良いか?

上記のひな型で遺言書を作成すると、下記のようになります。

                 遺言書
私の全ての財産を、私の妻である山田花子(住所:●● 生年月日●●)に相続させる。

平成●●年●月●日
山田 太郎 ㊞

財産の種類を記載しなくても良いので、簡単ですね。

その通りです。法律的には100点満点です。シンプルな文章なので、高齢の方でも問題なく書けるでしょう。でも・・・人としては0点です。

ん?どう言う事ですか???

何度も言いますが、上記の遺言は法律上問題なく、相続手続きを行う事ができます。

でも、法律上OKであれば、本当に問題がないのでしょうか?

あなたが、相続人の立場で上記の遺言書をもらった場合、(遺留分の問題は考慮せず)どのような事が起きるのか、想像してみて下さい。

2.相手の事を想う、愛のある遺言とは?

どうでしょうか?

想像出来ましたでしょうか?

おそらく、この遺言で財産を相続する相続人は、困ると思います。

「全ての財産って書いているけど、あなたの財産は何があるの???」

相続対策の本質は、「相続人に手間をかけさせない事」です。

「全ての財産を」と記載すれば、遺言を作成する事について難しくありませんし、法律上も問題ありません。

難しく考える必要なく、適切な遺言書を作成する事ができます。

でも、残された家族は、

「そもそも、あの人の財産って何があるの?自宅は当然として、預貯金は?何かの株を持っていたような・・・」

と、財産の調査に相続人が右往左往してしまいます。

せっかく遺言を作成するのであれば、相続後の家族の手間を最小限に抑える事を考えてはいかがでしょうか?

例えば、下記のような文言です。

下記の不動産、預貯金、株式含む、全ての財産を、私の妻である山田花子(住所:●● 生年月日●●)に相続させる。

1 不動産
(省略)
2 預貯金
(省略)
3 有価証券
(省略)

このように、主要な財産を初めからまとめておいて、それ以外の全ての財産を含む、と言う文言にするとどうでしょうか?
遺言を受け取る立場の人にとってみれば、事前にまとめていた方が、
「葬儀、四十九日等バタバタしていた状態だったから、きちんと財産の内容をまとめてくれていて、非常に助かった」
と感謝されるのではないでしょうか?このようにちょっとした配慮ですが、この配慮を行うことで、大切な家族のための「愛がある遺言」が誕生するのではないでしょうか?

3.その他、絶対にNGな遺言

その他、実務上非常に多いのが、「遺言者の趣旨が良く分からない、そもそも遺言と呼べるものかどうか分からない遺言」です。

例えば、

・●●の財産を長男●●に任せる

・●●の財産を二女●●に託す

このように、相続させるのかどうかが文言として分からない言葉を使用すると、相続手続きが出来なくなります。

相続させたい場合は必ず「相続させる」、相続人以外の方に財産を渡したい場合は「遺贈する」と言った、明確な言葉を使用しましょう。

「任せる」「託す」は遺言(らしきモノ)の中で本当に良く使われている言葉です。ご両親が遺言を作成すると言っている場合、この点は絶対に注意するように伝えましょう。

4.まとめ

上記はあくまで一例としてご紹介したまでで、当たり前ですが色々なケースにおいて

相手の立場で物事を考える。

と言うのは非常に重要になってきます。

遺言以外でもそうですが、ひな型を使う事で法律上適切な文章を作成する事ができます。

しかし、ひな型はあくまでひな型であり、どのような状況でも利用する事ができる、無味乾燥としたものです。

大切なご家族のために、ご自分の相続について手間をかけさせない為の遺言を作成するのであれば、ひな型を応用させ、ご家族の事を考えた愛情あふれる遺言を作成しましょう。

(もちろん、応用させた結果、無効な遺言を作っちゃダメですよ。)

 

【当ブログでは、相続対策や家族信託について分かりやすく解説しています。今後のご参考にもなる情報でもありますので、よろしければブックマーク等を行い、後からでも閲覧できるようにする事をお勧めします。】

このブログの執筆者
司法書士甲斐智也

横浜市泉区の心理カウンセラーの資格も持つ司法書士です。法律・老後資金・感情等多角的な視点から、自分らしい人生を送る為の認知症対策、相続対策をご提案します。元俳優/福岡県北九州市出身/梅ヶ枝餅、かしわめし弁当が大好き/趣味は講談/

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